空腹を満たす効果が最も高いのは高蛋白食であるが、それは抗肥満ホルモンの始動による
Daniel DeNoon
WebMD Medical News
Reviewed By Louise Chang, MD
【9月5日】蛋白の摂取によって自然の体重減少ホルモンが始動すると、英国の研究者らが報告している。
PYYとして知られるホルモンが腸内で放出されると、空腹が緩和される。そして、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのRachel L. Batterham, MDらによると、高蛋白食は他の食事よりもPYYを始動させる効果が高いという。
最近の研究において、PYYが肥満解決策の重要要素であることが示唆されている。例えば、肥満者は標準体重の人の2倍のカロリーを摂取しなければ、PYYが始動しない。
衝撃、怒り、拒絶、受け入れ
「我々は今回、食事に含まれる蛋白の量を増やすことによって、体内のPYYが増強され、空腹の緩和および減量の補助に役立つことを見出した」と、Batterham博士はニュースリリースで述べている。
この知見はアトキンス・ダイエット（※）を支持するように聞こえるかもしれないが、Batterham博士らはこれを否定している。アトキンス・ダイエットを実行している多くの人々は、大量の蛋白だけでなく大量の飽和脂肪も摂取していることに同博士らは言及した。
肥満、男性、およびマウス
PYYは本当に肥満を解消する鍵なのだろうか。Batterham博士のチームは最初に、どのような種類の食事によって最も空腹が満たされるかを調査した。博士らは、9名の肥満男� �と10名の標準体重の男性を研究対象にした。短時間絶食した後、これらの男性は異なる種類の食事を摂取した。高蛋白食、高脂肪食、および高炭水化物食の、それぞれの食事のカロリーは等しかった。
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最も空腹が満たされたのは高蛋白食であったとすべての男性が報告した。興味深いことに、標準体重の男性は、高炭水化物食よりも高脂肪食の方が空腹が満たされたと感じたのに対して、肥満男性の場合はそうではなかった。
すべての男性において、最も多くのPYYを始動させたのは高蛋白食であったことが、測定値から明らかになった。標準体重の男性では、高炭水化物食よりも高脂肪食の方がより多くのPYYを始動させたが、肥満男性の場合はそうではなかった。Batterham博士のチームは遺伝子工学によってPYY遺伝子が欠損したマウスの系統を作成した。これらのマウスは餌の摂取量が非常に多く、すぐに肥満した。
通常なら、高蛋白食を与えられた肥満マウスは餌� ��摂取量が少なく体重が減少する。しかし、PYY欠損マウスでは、併せてPYY投与を行わなければ、高蛋白食によって体重減少が促進されることはなかった。
狩猟民族か農耕民族か
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なぜ蛋白には、PYYを始動させ空腹を満たす効果がそれほどあるのだろうか。それは完全には解明されていない。しかしBatterham博士らは、それは我々の祖先のせいだと示唆する。
我々が遺伝子を受け継いでいる先史時代のヒトは、我々とは異なる食事を摂っていた。エネルギーの19-35%を蛋白から、22-40%を炭水化物から摂取していた。現代の食事ではエネルギーの49%を炭水化物から摂取しており、蛋白から摂取する割合は16%に過ぎない。
「したがって、可能性のあるひとつの減量法は、食事に含まれる蛋白量を増やし、我々自身の満腹システムを利用することによって、食事のもつ満腹効果を高め、体重減少を促進することである」と、Batterham博士は述べる。� �そのような食事は、狩猟採集民であった我々の祖先にとっては、より典型的な食事かもしれない」
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