出産後のメンタルヘルス
★出産後のメンタルヘルス女性にとって人生のうちで大きなストレスは妊娠出産と更年期だと言われています妊娠すると大量のエストロゲンとプロゲステロンに暴露されますが、分娩後には急激に減少して妊娠前の値に戻ります。また更年期には卵巣機能が衰えていくために徐々にエストロゲンは低下していきます。このようにホルモンが大きく減少する時に女性は精神的疾患を発症しやすくなるようです。
昔から「産後の肥立ちが悪い」という表現があるように、出産後の女性に精神の障害が起こることがあるのは周知の事実です。もし不幸にもこのような障害に見舞われることがあったとしても、あわてないように病気のことを良く知りましょう。
ま ず出産に関連する精神障害には次の３つの病気が知られています。
1. マタニティーブルーズ
2. 産後うつ病
3. 産後精神病
1.マタニティーブルーズ
出産直後から２週間頃までに出現する一過性の気分と体調の障害です。
主な症状は涙もろさと抑うつで、その他に不安、緊張、集中困難、困惑、不眠などの神経症状とともに、疲労、頭痛、食欲不振など体の不調も見られます。けれどもマタニティーブルーズの症状は持続が短く自然に軽快するので、治療の必要はありません。
入院中より退院後1週間の間に発症することが多いように思います。退院後の1週間はご主人も奥さんの様子に注意してください。
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２．産後うつ病
出産後数週から数ヶ月以内に出現します。出産後一ヶ月頃に発症のピークがあるともいわれます。
症状は、抑うつな気分、不眠、集中力の低下、食欲不振と体重減少、不安とパニック発作、罪の意識、自分は無価値だと考えたり、自殺願望、赤ん坊を傷つけるのではないかという不安を感じることがあります。
母親にうつ病があると、赤ちゃんとの愛着が育ちにくく、産後うつ病の母親に育てられた赤ちゃんは認知能力に欠けるという報告もあります。母子関係に重大な影響を及ぼすことがあります。
エジンバラの産後うつ病の問診票をつけておきます。産後6週間頃にするのがよいといわれています。日本人の場合9点以上は産後うつ病が疑われます。体調がよくないときは受診しましょう。
３．産後精神病
産後二週間以内の早い時期に、急激に症状が出ることが多い病気です。不眠や焦燥を訴えた後に、幻覚、妄想、精神病症状が急に出現します。
1000回の出産に１〜2人の人に発症します。ちゃんと治療をすれば数ヶ月で軽快することが多い病気です。
◆エジンバラ産後うつ病問診票◆
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ご出産おめでとうございます。ご出産から今までの間どのようにお感じになったかをお知らせください。今日だけでなく、過去７日間にあなたが感じられたことに最も近い答えにアンダーラインを引いてください。必ず１０項目に答えてください。
例）私は幸せである
たいていそうです
いつもそうではない
まったく幸せではない
"たいていそうです"と答えた場合は過去７日間の事を言います。このような方法で答えてください
【質問】
１．笑うことができるし、物事のおもしろい面もわかる
（０） いつもと同様にできる
（１） あまりできない
（２） 明らかにできない
（３） まったくできない
２．物事を楽しみにして待つことができる
（０） いつもと同様にできる
（１） あまりできない
（２） 明らかにできない
（３） まったくできない
愛する人の自殺後の罪悪感
３．物事がうまくいかない時、自分を不必要に責める
（０） まったく責めない
（１） あまり責めることはない
（２） 時々責める
（３） 常に責める
４．理由もないのに不安になったり、心配する
（０） まったくない
（１） ほとんどない
（２） 時々ある
（３） しょっちゅうある
５．理由もないのに恐怖に襲われる
（０） まったくない
（１） めったにない
（２） 時々ある
（３） しょっちゅうある
６． することがたくさんある時に
（０） うまく対処できる
（１） たいていうまく対処できる
（２） いつものようにうまく対処できない
（３） ほとんど対処できない
７．不幸せで眠りにくい
（０） まったくない
（１） たまにそうである
（２） 時々そうである
（３） ほとんどいつもそうである
８．悲しくなったり、惨めになったりする
（０）まったくない
（１）たまにある
（２）かなりしばしばある
（３）ほとんどいつもある
９．不幸せで、泣けてくる
（０）まったくない
（１）たまにある
（２）かなりしばしばある
（３）ほとんどいつもある
１０．自分自身を傷つけるのではないかという考えがうかんでくる
（０）まったくない
（１）めったにない
（２）ときたまある
（３）しばしばある
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